森林限界以上の高山帯では先駆植物のカラマツ、ミヤマヤナギなどの樹木が標高3,000mあたりまで登っているが、強風と雪のため草と同じ程の高さしかない。オンタデ、イワツメクサなどが標高3,500mあたりまで、そこから上は苔、地衣類のみ。上部は永久凍土(南側2,900m、北2,800m以上であったが、2,000年の調査では3,500m以上に縮小)。
カラマツやダケカンバが繁ると地面に射す光が少なくなり、しだいにシラビソなどの陰樹が育つ環境になる。やがて地面は苔に被われて水分を蓄え樹木に供給する。このようなシラビソの森は富士山の亜高山帯の代表的な森の形態といえる。
富士山の低山帯はブナ、ミズナラ、カエデ類などの落葉樹が中心だが、溶岩、砂礫、台地の新旧といった条件により繁殖する樹木の種類が異なっている。溶岩流上ではヒノキ、砂礫地ではカラマツなどが代表的な先駆植物となる。樹木が年代を重ねてゆき最後に安定した形がブナの森になるといわれる。
低地帯から丘陵帯にかけては都市、田畑、人工林が大部分を占め自然林は殆どない。カシやシイなどの常緑樹の森は、神社や山間の一部にわずかに見られるだけ。東麓から南麓にかけては演習場の大草原が広い面積を占めている。