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駿河湾上空からの鳥瞰図
最大直径40キロメートルの山体は、海抜0メートルの駿河湾から、3.776メートルの山頂まで一気に上っています。その裾は温暖な静岡県にありながら、山頂は永久凍土という厳しい環境になります。富士山には、低地の照葉樹林帯から、苔や地衣類しかみられない高山帯の山頂へと見事な植物の垂直分布がみられ、それぞれの環境に適応した多くの生きものたちが生息しています。

都市や田畑などの人間の生活圏は標高800メートルから900メートルあたりまでで、それ以上にはゴルフ場やスキー場、別荘地、遊園地などのリゾート施設があります。昭和40年前後に相次いで開設された観光道路により標高2.000メートル以上の中腹まで一気に登れるようになり、富士山は身近な山になるとともに俗化が進み、古くからの神聖な山のイメージは薄れてゆきました。また、戦後行われた大規模な自然林の伐採と杉や桧などの植林によって麓の自然林の多くが失われました。人工林の造林は、標高1.500メートル以上の夏緑樹林帯にまで及び、ウラジロモミやカラマツなどが植林されました。ウラジロモミの人工林は現在生育しつつあり、本来、ブナやミズナラなどの落葉樹が中心の豊かな生態系を持っていた一帯に暗い影を落としています。麓の田園地帯は雑木林 (里山)の伐採、河川改修などにより、多くの生きものが生息していた環境の多くが失われました。


富士スバルラインが開設されたとき、年間数十万本の樹木が立ち枯れして大問題になったことがありました。大気汚染や地球の温暖化といった環境の変化も、ブナやシラビソの立ち枯れの原因のひとつといわれます。
1998年11月、静岡、山梨両県により富士山憲章が制定されるなど、自然環境が見直されるようになった現在、台風により大量の風倒木が発生した南麓の人工林に広葉樹を植林して、自然に近い森を造林する活動なども行われるようになりました。

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